計画地は、私鉄の最寄り駅から徒歩1分の好立地にある歯科医院の2階、住宅部分の全面改修工事である。
仕事や子育てで忙しいクライアントに、少しでも心と体を癒せるような住環境づくりをと考え、当初の一番の要望であった暑さ寒さ対策として、サッシをペアガラスに入れ替え、吹付断熱材の厚みを増し改善させた。
家族が集まるLDKは空間の広がりを作る為、小屋裏空間の一部を吹き抜けに変えたがその対策として、天井付サーキュレーターと温水床煖房の併用により、暖房時の効きを考慮した。
その吹き抜けにはタイルで巻いた壁柱とオープンな鉄骨階段で印象的なシーンを作り、LDK廻りでは、間接照明を使った光の使い方、仕上の素材感の出し方等により、日常生活を落ち着いたゆとりある住空間で過ごしてもらえるようにと考えた。
実用面でも適所に充分かつ、ジャストサイズの製作収納を設ける事でそれぞれの収納場所を明確にし、機能性も充実させた。
また、6寸勾配の屋根形状を活かし、全く使用されていなかった大きな小屋裏空間を利用して家族がそれぞれの趣味で利用できる約15帖の多目的スタジオを設けた。
身体を動かす事が大好きな二人の子供達が共に使用する子供室には、ターコイズブルーの雲梯やスタジオとつながるロフトスペースを設けて遊び心を忘れずに、楽しめる空間造りを心がけつつ、将来間仕切る事も考慮した間取りとしている。
設計:rivet design office 森垣 知晃